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二重国籍を認めていないインドと日本 ― その政策の違い

更新日:2022年6月13日

会報誌7号「在外日本人の幸福、活躍、成功を阻む 大きな障害 国籍法11条1項(国籍はく奪条項)」で、インドと日本はどちらも二重国籍を認めていないが、自己の志望によって外国の国籍を取得した自国民への対応には大きな違いがあるという事を書きました。日本政府は自国民から日本国籍をはく奪し(国籍法11条1項)100%「外国人」と扱い日本から切り離しますが、インド政府は、たとえインドに住んでいなくとも「海外インド市民権」(Overseas Citizen of India = OCI)という法的ステータスを与え選挙権などを除く多くの権利を認めています。インド国籍がなくとも何年だろうとインドに暮らし働く事が可能で出入国も自由にできます。この政策のおかげで、インド人は二重国籍ならぬ二重市民権を法的に享受できるのです。グーグル、マイクロソフト、IBM、ツイッター、シャネル、FedExの経営最高責任者(CEO)等、世界のトップレベルで多くのインド出身者が活躍している事はOCIと無関係ではないと思います。


中西みのり



中西さんのお話を聞いて、入国管理局のインフォメンションセンターに、在留外国人の日本の永住資格について問い合わせてみました。


2021年の入管白書によると、日本の在留外国人の内、永住者は、80万7,517人で最も多く在留外国人の全体の28.0%を占めているそうです。ほかに特別永住者は30万4,430人です。

永住者は入国管理局で再入国手続きをして出国すれば、最長5年間は日本から離れていても永住資格は保持できるそうです。外国人に与えられる在留カードの更新は7年ごとで、もし、外国に滞在中に在留カードの更新が来た場合は日本に帰国して更新手続きが必要になりますが、一日で新しいカードに更新してくれるそうで、そこで、また再入国手続きをして日本から出ても、また5年間は永住資格が継続されるそうです。永住資格を持っている外国人はコロナによる外国人の入国規制の最初の頃(2020年3月から9月頃まで)は入国制限されていた時期もありましたが、その後は日本人と同じくビザなしでの日本入国ができているそうです。


日本の永住資格を取ってから、自分の国に帰国する外国人の方がいますが、永住資格があれば、ビザなしにいつでも日本に戻ることができますし、仕事も自由にすることができます。外国籍を取得した日本人から、日本国籍をはく奪して外国人にするなら、元日本人にもインドのように永住資格をすぐに与えてほしいと思います。


小暮朋子

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