国籍選択届、出さないとどうなる?!

「出生により、または婚姻や養子縁組、認知などで複数の国籍を持つことになった人は、それが20歳前であれば22歳までに(2022年4月以降は成人年齢が18歳になるので、18歳前であれば20歳までに)、それ以降であればその時点から2年以内に、国籍選択をしなければならない。」という項目が日本国籍法にあります。この人たちがこの期間に複数国籍をもっているのは合法です。複数国籍が常に違法であると思われるのは誤解です。


また、知っておくべき重要な点は「国籍選択」といっても、実際は「選択」ではなく単なる「宣言」である、という点です。日本に対して、日本国籍を保持します、という宣言であって、ひとつを選び、ひとつを捨てる、ということではありません。


外国籍のほうがその後どうなるかは日本の管轄外になります。当人と当該外国との間のことに、日本政府が口を出すことはできません。まれに自動喪失につながる規定を持っている国もあるようですから、注意は必要です。


さて、国籍選択届を出さないとどうなるのでしょう?「選択しなければならない」と書いてある14条1項は法的義務です。では、選択しないときに義務違反で処罰されるかというと、そのような規定はありません。届出期間を過ぎていても、いつでも罰則無しに提出することができます。国籍選択届の義務のある人のうち、届け出をしていない人の方が多数と推定されています。


外務省から当会の質問に対して、選択届の提出の有無にかかわらず日本国籍を持っている人には日本旅券を発行するように指導している、と回答をもらっています。国籍選択届を出していなくても、パスポート発行も大丈夫です。


あわてて出さなくても、じっくり考えて決めることができそうです。もっと詳しく知りたい方は、少し長いこちらの記事「国籍選択制度について」をお読みください。


今年の4月以降、民法の成人年齢が18歳に引き下げられます。それに伴う経過措置として国籍選択届の提出期限について法務省のサイトに説明が載せられています(Q20とQ21を参照)。それによると、以下のようにまとめられます。


1.4月1日の時点で20歳になっている人は、これまでの「重国籍になった時から2年以内」が適用される。

2.4月1日の時点で、18歳以上でまだ20歳になっていない人は、2024年3月31日までに選択届を出す。

3.4月1日までにまだ18歳になっていない人は、18歳になってから2年以内に選択届を出す。


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日本国籍を持っている人が外国籍を自分の意志で申請して取得した時には、国籍法第11条1項の「日本国民は、自己の志望によって外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。」という規定により、法律上は外国籍を取得した時点で、自動的に日本国籍を喪失します。しかし、外国籍を取得したことを自分で日本の役所の戸籍係に知らせなければ、日本側ではその事実を知ることができないので、戸籍の記録は残ったままになります。