国際家族の皆様にご執筆頂いた『「素顔の国際結婚」の今』についてのお知らせです。会員及び関係者など総勢30名に参加、執筆いただき、そして7名の編集委員が2年間頑張って作成してきた『「素顔の国際結婚」の今』が出版されました。数々の国際家族のエピソード、体験談、役に立つ情報などが満載の必読本です!日本や世界に住む「国際家族」の方々、そしてグローバル化が進む世界に対応していない日本が国際家族の方々にどのような影響を与えているか、皆様にぜひお読みいただきたいと思います。
『「素顔の国際結婚」の今』の内容をご紹介します。
第1章 未来を見つめる若者たち 若い世代の国際家族の方々による座談会を行いました。配偶者の国籍も多様化している現代の若い世代による国際結婚、カップルの考えや価値観などについて話を聞きました。結婚のきっかけや、居住地を決めた理由、そして文化や習慣が異なる配偶者と一緒に生活する上で感じていることなどが話題となり、国により異なる制度(国籍法やビザなど)の壁に遭遇した経験なども話してもらいました。
第2章 見えない国籍の壁 国籍法により日本国籍を奪われた当事者の人たちが主な執筆者で、コロナ禍の鎖国で帰国できず親の死に目にあえなかった方、国籍留保届提出が1日遅れたために、生まれたばかりのお子さんの日本国籍を剥奪された方、国籍法11条1項により多大な打撃を受けた元日本国籍の方などが、ご自身の経験を述べて下さっています。
第3章 家族のありよう 涙、笑い、葛藤無しには語れない国外移住の経緯、結婚後の苗字変更とその後、子の戸籍名と通称、バイリンガル教育の実践と課題、国内外で受けた差別、兵役のある国の重国籍問題、そして国外での離婚などの実体験例の数々。読めば読むほど、国際家族がそれらをどう乗り越えたのか、前向きに今、どう乗り越えようとしているか力強いメッセージが伝わってきます。
第4章 シニアライフの迎え方 結婚してあっという間に30年〜40年。結婚手続きはそれほど難しくはないけれど、離婚や死別後の手続きはなんと大変なことか…。特に国を越えた相続手続きが今、大変!はたまた国外に出た子供の近くに移住しようか、それとも国内に自立してとどまろうか、と国を跨いでの葛藤、老後の不安もあるのです。自身の両親、義父母の介護と看取りなども重要な問題ですが、年金生活になってこそ楽しめる二拠点生活もあり!誰にでも訪れる老後。有益な情報が活用できます。
第5章 第2、3世代からのメッセージ 子供は親を選べない…異なる国の親を持つ二世、三世にあたる若者たちは今、自分たちのアイデンティティや国籍について何を考えているのか、自分たちの生活の様々な局面をどう捉えているのか。国際家族の次の世代の子どもたちへのメッセージ。後述の朴沙羅さんからのメッセージも!子育て中の読者は必読です。
購入方法について
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また、Amazonや書店などでも販売されることになっており、2025年1月以降、電子書籍も販売されますので、特に海外在住の皆様にはそちらでのお買い求めも可能になります。
Amazonや電子書籍の購入をしたくない海外会員の方で、ほぼ一時帰国されない方のご注文については、購入方法を検討しています。海外会員の方は、こちらのアンケートでご意向をお知らせください。
編集委員からのメッセージ
2年余り協力しあって編集作業を進めてきた編集委員からのメッセージです。
刊行にこぎつけるまでの約2年半、よく途中で諦めることなく挫折しなかったことかと感慨無量です。それはひとえに、執筆を心よく引き受け寄稿して下さった会員、元会員、協力者の方々、そして座談会に心よく参加してくれた若い世代の方達のご協力とご支援があったからこそです。また志を同じくした7人の編集委員らとの共同作業は私にとってかけがえのない貴重な体験となりました。人生の終盤にさしかかっている私にとって、本書は素晴らしい置き土産の一つとなってくれました。(山内陽子)
まだ海外渡航が制度的に困難だった韓国から日本留学した夫と出会ったのが45年前。アメリカを経て韓国で子育てや仕事をしながらの35年が経ち、退職後しばらく日本と韓国の2拠点生活後、5年前に夫とともに日本に永住帰国し穏やかな終活の日々を過ごしています。個人的な経験が少しでもこの書籍に役立つことができればと軽いノリで編集に参加しましたが、執筆者の方々の想像を絶する経験や現在の葛藤を目の当たりにしました。経済的な事情などの非常に個人的なお話まで包み隠さず書いてくださった方々に改めて心から感謝します。(奥山洋子)
第三章の「家族のありよう」を担当しました。家族内外での異文化共生を与えられた環境の中で最大限に努力し、逞しく実践されている方々には大きな拍手を送りたい気持ちでした。(湯浅佳代)
米国人の夫と結婚して四十一年目、幸せな人生から色々な思い出が蘇って来ます。三十年近く米国に住み、仕事に専念、その後日本にしばらく拠点を移し、母国での生活を心から楽しんでいます。「国際結婚を考える会JAIF」で、多様な経験をされてきた国際家族の皆さんと、これまでの経験や今後の人生についての想いを分かち合うのはとても意義があります。そして、皆さんの体験を書籍として出版することが実現しました。心から感動しています。(リード眞澄)
家族が異文化に関わっているという事をキーワードとして緩く集まった会がもう40年以上も続いています。この本はそのような会を象徴しているように見えます。自分と同じ普通の会員が語る思いは、だからこそ説得力があり、巧まずして、国際結婚かどうかに関わらず人間の本質を垣間見ることができる本になったと思います。(マリク君代)
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