未成年でも親権者が代理で申請すれば11条1項にあたる
日本人の両親と一緒にカナダに移住した日本生まれの子供さんに、カナダ国籍を取得させたいと思われる状況になることもあるでしょう。居住国の国籍を持って育つことには大きなメリットがあります。ここで気をつけたいことは、よく未成年のうちに複数国籍を持つことになったら日本国籍は失わず、成人までに国籍選択をすればいい、と勘違いされている場合があります。日本国籍法の11条1項は、自己の志望による外国籍の取得は未成年のうちに親権者が代理で行った申請取得でも、日本国籍を自動的に失ってしまいます。このことは在カナダ日本大使館のサイトにも記述があります。
13歳以下で親の片方のサインにより申請すれば11条1項には当たらない
しかし、ここで記述されていないことで、13歳以下の子供さんが、片方の親権者のみの同意による申請書提出でカナダ国籍を取得した場合は、日本国籍を失うことなくカナダ国籍を取得するという解釈があります。未成年のカナダ国籍申請書を見ると、親権者のサインの個所は一人のサインでよく、また14歳以上の場合は本人のサインが必要と書かれていますが、13歳以下の場合は本人のサインは必要ではありません。14歳以上で本人がサインした場合は、日本国籍法11条1項の「自己の志望」にあたります。
これは、日本の民法に定められている未成年者の外国国籍の取得が国籍法第11条第1 項に規定する自己の志望によると該当するためには、 適法な法定代理人によってその手続が行われていることが必要とされていて、民法第818条、 法の適用に関する通則法第32条で定められている法定代理人とは父母双方のことなので、片方の親だけの申請であれば、日本の民法での規定に沿わないため国籍法第11条第 1項には当たらないということになります。
(オーストラリアの出生届の記事 戸籍時報の記述を参照)
カナダ国外で生まれた未成年の子供さんに、日本国籍を失わずにカナダ国籍を取得させたいと考えておられる方は、13歳までに片親のサインのみで申請する方法もあることをお知らせいたします。
ただし、カナダの移民に関する法律はよく変更されるので、必ず現行の申請方法をご自身でご確認ください。そして、申請の際の記入済みの用紙をコピーして保存しておくことをお勧めします。
二世カットオフルール
また、カナダには、カナダ国外生まれのカナダ人に、さらにカナダ国外で子供が生まれた場合は、カナダ国籍を継承できないという規定が2009年にできたそうです。これによりカナダ国籍を取得できなかった人たちの違憲訴訟が行われているそうです。このような規定はなるべく事前に知って、出産をなるべくカナダ国内にするなどの心構えをしておきたいものです。
カエデ・ワーマンさんのNoteの記事から
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