国籍剥奪条項違憲訴訟

最終更新: 8月30日

国籍はく奪条項違憲訴訟 弁護団サイト


去る8月20日、国籍法11条1項意見訴訟第9回口頭弁論(公判)と、報告集会に参加して参りました。2018年7月の第1回口頭弁論から、ほぼ毎回公判と報告会に参加して来ましたが、いよいよ東京地裁における最終の公判となり、来る2021年1月には判決が言い渡されます。米国籍取得による日本国籍自動喪失の当事者としてたまたまこの時期に帰国し、この裁判を通じて学ばせて頂けたことに大変感謝しております。


今回の公判と報告会で得たことを二点ほど皆さんとシェアしたいと思い、ブログに書かせて頂きました。


第一点は、弁護士団の皆さんからご説明を受けた、国籍法11条1項がいかに憲法に違反しているかという点についてです。これまでも何度か聞いて参りましたが、地裁における最終弁論として、「違憲」の具体的な意味を分かりやすくまとめて下さったことで、しっかりと頭に入りました。頂いた資料をベースに、ここに書いてみたいと思います。


この国籍法11条1項は、当事者本人の意思によらずに国籍を喪失させるものです。もし自分の意思で日本国籍から離脱したい場合は、国籍法13条というものがありますから、「本人の意思により離脱」するのとは完全に異なります。外国籍を取得した日本人全てが日本国籍を自らの意思で離脱したいと思っていない、ということは訴訟の原告の皆さんの状況からも明らかです。まずはこの点をきちんと理解することが重要になります。


国籍法11条1項は、日本国民から日本国籍、つまり日本の主権者としての地位を「本人の意思によらず」奪うことを意味するため、憲法上保証されている国民主権原理や基本的人権の保障などを奪うことになり、憲法10条に反するものです。更に、国籍離脱の自由を保障し、無国籍となる自由は認めていない憲法22条2項は、日本国籍を離脱しようとする物が既に別の国籍を持っていること、即ち複数国籍を前提としており、国民に、「複数国籍者が日本国籍を離脱するか否か自らの意思で決める自由」を保障しています。そしてその選択の自由は憲法13条に保障されていますから、国籍法11条1項は、憲法22条2項及び13条に違反するものです。


そして、生まれながらの複数国籍の発生を予定する国籍法2条1号2号、後発的に日本国籍を取得することにより複数国籍の発生を予定する国籍法3条1項、5条2項、17条1項と対比すると、外国籍を志望して取得したときのみ、本人の意思によらず日本国籍を自動喪失させるのは差別的な扱いであり、憲法14条1項(平等原則)に違反します。更に、日本国籍保有者が婚姻や養子縁組などで外国籍を取得した場合(当然取得)は、国籍法11条1項に基づいて日本国籍を喪失しないことになっています。この当然取得は、外国籍を志望して取得した場合と発生する複数国籍の状態に違いがないにも拘らず、外国籍を志望取得した者のみが日本国籍を剥奪されるのは憲法14条1項の平等原則に反するものです。


これまで「違憲訴訟」と言う言葉だけ自分の中で一人歩きしておりましたが、今回の弁護士団のご説明で、憲法のどの部分に違反しているのかということが理解できました。


次に皆さんとシェアしたい内容は、地裁における公判が一段落した現時点で、私たちに何ができるかと言うことです。地裁での判決で原告側が勝訴すれば、国籍法11条1項が違憲であるということを広く世間一般に知らせる機会となります。これまでは公判や報告会に参加するのみで、消極的な関わりしか持ってこなかったことを反省すると同時に、報告会で皆さんのご意見やコメントを伺っているうちに、何か自分に出来ることを始めてみたい、と強く感じました。もちろん、3年前に帰国して以来、熱心に請願活動を続けて来られたピレーさん、トルンさん、小泉美津子さんのお手伝いをさせて頂いて来ましたが、国際結婚を考える会として、これまで通り請願活動を続けて行くと同時に、国籍のことにあまり関心のない一般の方々向けに、分かりやすい解説を試みたり(小冊子や動画の作成)、弁護団の皆さんと協力し合ってご一緒に議会や政府に働きかける方策を検討したり、更には研究者の方々のお力を借りて調査を実施したりと、自分にも出来るのではないかと思えるアイデアがいくつか出てきました。こういった試みや努力がすぐに実るかどうかは分かりませんが、この国籍剥奪条項違憲訴訟のことを多くの方々に知って頂きたい、外国籍を取得した「当事者」の方々、そして国籍法11条1項のために外国籍を取得せず、困難な状況を強いられている方々のことをもっと知りたいと思う様になりました。自分の中で、行動を起こしたいと言うモチベーションが高まって行くのを感じた訳です。


報告会では、弁護士団の方がまとめられたQ&Aも頂きました。小冊子作成にあたり、参考にさせて頂きたいと考えています。これを機会に皆さんにも国籍法11条1項についてご関心を持っていただけると嬉しく思います。

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